設立趣意書

NPO法人  あすの夢土木設立代表者 大西 有三
社会資本は、人々の暮らしを守り、人々が快適な生活を送るうえで欠かせないものです。わが国は、戦後から着実な社会資本整備を行うことで、目覚ましい経済発展を成し遂げ、市民生活の利便性向上や安全・安心な地域づくりを進めてきました。そして、その関連技術はまさに世界に冠たるものであります。

今、わが国では、財政難や少子高齢化、社会資本整備に従事する人材の不足などの課題を抱えています。特に高度経済成長期に一気に作り上げた構造物の劣化が進み、財政難などにより十分なメンテナンスができているとは言い難く、地震など自然災害が頻発するわが国において構造物が機能不全を起こすリスクが増大しつつあるのが実情です。このため、社会資本の機能を健全に保つための維持・管理が重要な課題となっています。

また、国際競争力を高め、かつ災害時の代替機能も果たす公共交通ネットワークの整備をはじめ、社会資本整備もいまだに十分とは言えない状況にあります。さらに、社会資本の実情と大切さ、建設技術者の役割についての国民への周知徹底不足などから、社会資本への投資が減少し、若年入職者も減少している傾向があります。

これまで学会、行政、業界団体、建設業各社は様々な広報活動を通して、社会資本が安全で安心な暮らしを支える重要な基盤であることを広く国民に訴えてきました。しかしながら、国民に対する説明や広報の効果を十分に発揮できなかったのではないでしょうか。さらに、これらの団体、企業が個別に行ってきた広報や人材確保の取り組みを横断的にまとめて、国民との間にPublic Relations(PR)を構築し機能させる組織がなかったことが、一因ではないでしょうか。

このため、建設技術者を「夢の持てる職業」にし、人材を確保できるよう、産学官が連携するための組織づくりが重要だと考え、平成22年8月に「土木夢づくり懇談会」を立ちあげて、建設業の広報のあり方や人材確保に必要な方策などを検討してきました。

こうした社会資本の実情を国民に効果的に広報し、理解を深めてもらうとともに、社会資本の整備・管理に携わる人材の確保と、その育成を図るために、NPO法人の設立を目指しました。

今回、法人として申請するに至ったのは、任意団体として実践してきた「土木夢づくり懇談会」の活動や事業をさらに関西に定着させ、継続的に産学官の連携を進めて人材確保や社会資本整備の大切さを訴えていく必要があることなどの観点から、社会的にも認められた公的な組織にしていくことが最善の策であると考えたからです。当団体の活動が営利目的ではなく、社会資本整備の大切さや人材確保の重要性に賛同いただけるボランティアを中心とした多くの方に参画していただけることが不可欠であるという点から、特定非営利活動法人格を取得するのが最適であると考えました。

法人化することによって、組織を発展、確立することができ、将来的に建設業にかかわる人材確保や社会資本整備の重要性について、産学官の連携が多岐にわたって展開することができるようになり、建設業のみならず、広く社会に貢献できると考えています。

申請に至るまでの経過

・平成22年8月3日   土木の人材育成・確保等を検討する「土木夢づくり懇談会」を設置

・平成24年10月10日「土木夢づくり懇談会」でNPO法人の設立を決定

・平成26年 9月17日  第1回設立発起人会

・平成26年 9月17日  設立総会